2020/11/30 |
とでも言いましょうか。
まるっきりミリタリーの物から
意外なミリタリー発のアイテムまで至るところで目にする昨今。
学ランやセーラー服が元々軍服である事は有名だと思います。
チノやダッフル・トレンチのように割と綺麗見え寄りのアイテムもミリタリー発。
また、現代の医療現場でも軍用をルーツに持つものは存在します。
このように、生活に馴染んでいるミリタリーも数多く。
今でこそミリタリーファッションという言葉はございますが、
そもそも実用性を追求して作られており、
立場、気候、目的、国状に合わせて作られていた
おしゃれ目的では無かった服です。
ファッションブランドとしてリポトレンタアンニは
ちゃんとしたお洒落用に作り上げております。
人気も完成度も高い米軍「 M-65 」からリポの技術を詰め込んだ
完成度をより高めたアイテムをご紹介いたします。
お久しぶりの更新となってしまいました。
Ripo trenta anni 有明店です。
12月からも例年より暖かいようですが、
とはいえ冬の気温にはなってきました。
コート着れます。アウターが必要です。
気温が安定しないからこそおすすめできるアウターです。
ミリタリーアウターとしては王道ですね。
よく混同されがちで、このアイテムの商品名にもなってしまっている
モッズコートと呼ばれるM-51 PARKA の後期型です。
踊る大捜査線の青島俊作がM-51
SEKAI NO OWARI がドラゲナイで着ていたのがM-65
でわかりますでしょうか。
M-51は1960年代イギリスカルチャーの象徴であるモッズに広く着用された事で
モッズコートという通称がつきました。
まさしく青島はモッズスタイルの刑事でした。パンクですね。
スーツの上から着る際に、泥跳ねなどの汚れから
広範囲で守ってくれるM-51が人気を博したわけです。
M-51も実は2代目でM-48というものもございますが、
この3型全てに共通していることはフィッシュテールというシルエットです。
M-48とM-51は大まかな見た目は一緒でところどころが変わっている程度ですが、
M-65へは、フードが着脱式になったりライナーがキルティングになるなど
大幅に改変。細部ではショルダーループが無くなり、ボタンも変更。
ステッチなども所々変わりよりシンプルになります。
時代を経てマイナーチェンジを繰り返し
確かな完成度で長く愛されているM-65に
リポなりのサイジングを施しています。
見た目は本格仕様ですが、
サイズ感はリポ形しています。
リアルのXXSがジャパンS〜M程度のサイズということですが。
着丈はヴィンテージのものよりも短くしており、
フィッシュテールをあまり着ない方でも
長過ぎず短過ぎずで使いやすい丈かと。
身幅は広めで、
リポらしくドロップショルダーとなってます。
ヴィンテージでドロップできるサイズ感を探すと
袖丈長過ぎる問題をよく耳にしますが、
こちらは肩幅を広げた分、袖を詰めてバランスを取っております。
ヴィンテージよりもシェイプアップされている現行ブランド様はよくいらっしゃりますが、
ミリタリーの無骨なイメージを崩さずに
より緩くリポらしいリラックススタイルで着られる。
M-65の中でも珍しい着心地に属するかと思われます。
またこちらで着用している
フードも使いやすいサイズにしています。
当時のM-65はヘルメットを被った上からフードを被ることを想定されており、
普段使いするならリサイズしなければ現実的ではありません。
一般的なパーカーやコートのフードよりも大きく、
ヴィンテージよりは小さいサイズです。
イメージそのままに使えます。
また、ファー部分はリアルラクーンファーを使用、
高級感が醸し出せます。
ヴィンテージでは時代によりますが、M-65では概ねアクリルファーで
色も白。少し浮いてしまう、馴染み辛いものでした。
また、アクリルファーでは何十年間もボリュームを維持できず、
現存するものの多くはバサバサにヘタってしまっています。
ラクーンファーはボリューミーに永くご使用いただけます。
ヴィンテージでは取り外せないファーがほとんどではありますが、
リポのものはファーを取り外すこともでき、フード単体でも洗えます。
この画像のようにフード内も本格使用。
ヴィンテージで採用されていたものは、時代にもよりますが主にウールのメルトン生地で
暖かさと軽さを両立。
その作りを反映して、当時よりフリースに近い感覚のメルトン生地となっています。
よりサラッとした触り心地で、
素頭に被ってもチクチクすることもございません。
M-65といえばこのキルティングのライナーも人気ですが、
元々単体で着る想定はされて無かったものです。
多様性に富んだファッショニスタによるライナーだけでの着用や、
ライナーだけでの販売を行う古着屋さんなんかもあり、
今では立派な冬アウターの一つにまでなっているアイテムです。
当時のライナー用に開発されていたものと違う点としましては、
ライナー自体にポケットがあります。ヴィンテージには付いていないものが一般的です。
また、ボタンホールとボタンの両方を付けライナーで完結できる形をとっています。
ヴィンテージのライナーでは、ボタンホールのみ。
それをジップ裏のボタンでシェル部分に取り付ける形だったのですが、
単体で着る際にも様になるアップデートを施しました。
ただあくまでもこちらはコートのライナーで、
リポのM-65シェルの内側に沿って作っており、
ヴィンテージのものよりハリがあるため馴染むまでは
着用時に違和感は出てくると思います。
ライナーと現行で世に出回っているキルティングコート(ジャケット)は
デザインソース共通の別物であると認識頂いければ幸いです。
ライナーも機能中綿でヴィンテージ製造当時ではなかった素材による
アップデートがなされております。
デュポン社のソロナポリマーを使用。
羽毛並みの軽さ・保温性を持ちながら、湿度に強いものになっております。
ダウンは夏場の保存方法によって、翌年の機能低下を引き起こすこともありますが、
その原因が湿気にあります。
ダウン着て汗をかいている方、ダウンに対して甚大なダメージ与えてますよ。
ダウンのように湿度でボリューム延いては保温力が低下しないため、
手入れは簡単で、翌年も同程度の暖かさを見込めるわけでございます。
植物由来のサステナブル素材でもあるため、環境に優しく。
ダウンの採取映像などを見たことがある方などには、
あのショッキングな採取をなされていないため、
気兼ねなくきていただくこともできます。
東京のように昼間は氷点下まで気温が下がることがほとんどない地域で、
尚且つ、世界的に見ると一年を通して湿度が高めなので、
ダウンより適しているとも考えられます。
冬でもインナーは薄くしたい方にこそ、インナーが薄ければ薄いほど
ダウンへの水蒸気被害は出ていますので。
ダウン信者に一石投じたい私はデュポンを推します。
S〜Lのサイズ展開。
着方にもよりますが、大体の方でワンサイズ下げを推奨してます。
S以下の方は緩い着こなしのコツお教えします。
私もアウターはS人間です。
カラーは3色。
モスグリーンとブラックには共通の
コットンナイロンポプリンを使用。
後期型のモッズコートやM-65には多くこの生地が使われましたが、
リポではナイロンはコーデュラ社のものを使い、クオリティに関しては当時に比べて
遥かに良くなっていると思います。
インディゴはその名の通りデニム生地です。
デニムのM-65は夢のような組み合わせです。
デザインとしてのステッチがオレンジで施されており、
他2色との雰囲気は一段と変わってきます。
また、市場には40〜50年ほど前に作られたヴィンテージのものが出回っています。
今から更に40年経っても変わらず愛されるデザインであることは間違い無いと思いますが、
経年変化がより味わい深いデニム生地での40年です。
2060年頃のこのM-65が楽しみで仕方ないです。
ライナーも各色で色を分けてます。
モスグリーンには同じくモスグリーンを。
ブラックにはブラックの
インディゴにはネイビーのライナーを付属しております。
一部書ききれなかったヴィンテージM-65と
リポM-65との違う点・違わない点を書き加えます。
M-65シェルのポケットには
ヴィンテージではウールのライニングが施されておりますが、
リポではシェルと同じ生地でライニングはございません。
日本では必要ありませんので。
フードを付けるためのボタンホールは
ヴィンテージとリポで互換性があります。
ヴィンテージのフードをリポに
逆にリポのフードをヴィンテージM-65に付けることが出来ます。
また、ヴィンテージ同様にフードにはソフトなハリガネが内蔵されております。
被った際にボリュームの調節もできますし、
マジックテープの仕様も同じくしており、
フードを被らず首回りにファーを溜める、
まさしくドラゲナイの着方をする際にハリガネで形を如何様にもしていただけます。
裾部分のドローコードはゴム紐でなく
コットンロープ仕様に。
また時代によって違いもありますが、
サイドの接ぎの部分でコード自体も縫い付けてるものがあります。
リポは縫い付けてあるタイプです。
シルエットに変化をつける際、絞りやすく、解きやすくなってます。
地味ですが、めちゃくちゃ便利です。紐が抜けてしまうことも無いです。
ジップはダブルジップ仕様に変更。
ライナー外して着る時期には軽さを出す着方も出来ますし、
座る時の窮屈感や、パンツポケットも開けずに使い易い、
アウターとしての実用性を兼ねます。
もちろんYKKですのでスルスルです。
その他細かい作りは概ねリアルヴィンテージを再現しています。
リアルクローズとして生まれたミリタリーは
現代の巷ではオシャレファッションアイテムの一つになっています。
ミリタリーの概念を覆すデニムは、
普段馴染みのない方にも使いやすいかと。
もちろんリポファンの方々へはオススメの岡山デニムアウターでございます。
ヴィンテージを持っている私はやっぱりデニムかな〜と。
どっちもいいんですが、今着やすいのは間違いなくリポのM-65です。
長く着ていただける服ばかりです。トレンタアンニですし。