2020/10/19 |
Ripo trenta anni 有明店です。
毎週新商品が入っております激アツの真っ只中。
羽織りとしてはもちろん、
冬になればインナー足りうるシャツが2型ございます。
地味ではあるのですが、間違いないシャツです。
一見では伝わりづらい魅力をご紹介致します。
先週更新できませんでしたので、
今週は2回に分けて書かせていただきます。
一発目はこちら。
このデニムシャツは正面からはドレスライクな見た目ではございますが、
ウエスタンシャツに属するディテールを施された、
アメカジ出身のキレイ見えオーバーシャツです。
ウエスタンシャツは、
アメリカに於いて、カウボーイ達のユニフォーム的存在です。
広大な土地での畜産業の効率化のため、馬に乗って牧場を駆け回ります。
馬上での生活の中で、喫煙の際片手でもタバコを取り出しやすい
ギザギザの胸ポケット。
ダブルターンアップもカウボーイが発祥の
ロールアップの仕様とも言われています。
馬上での事故など、咄嗟に着脱出来るようスナップボタンが採用。
カウボーイの嗜好に合わせて、
胸筋をより強調するための、フロントヨークデザイン。
ロックマウント社によって、当時のシャツにはなかった
スリムフィットなシャツが生まれ、
カウボーイたちがよりムキムキに見えるフィットに仕上がり、
現在のウエスタンシャツのイメージソースが出来上がります。
ただ、現在において、馬上で喫煙する人は中々いないかと、
また、フロントにヨークはデザインとしては素晴らしいのですが、
その実、生地の重なりにより肩の稼働に難点も、
ヨークは、腕を動かす際に圧がかかりやすい背中側だけで充分です。
そして当時は斬新なフィットも今ではありふれたデザインです。
ウエスタンシャツとしての伝統は継承するものの、
時代に合わせてアップデート。
フロントはトコトンシンプル、ドレッシーに。
スナップボタンは外せません。実用的ですし、
パールスナップこそがウエスタンシャツの
最大の魅力であることは間違いありませんので。
背面のヨークはしっかりウエスタン調ですが、
柔らかいカーブを描いており、リポっぽくアレンジ。
現代の生活に不要なデザインは削ぎ落とし、
リポによる令和のウエスタンシャツが爆誕しました。
画像で判断できるポイントは伝えた通りですが、
このシャツの生で見ていただかないと伝わらない魅力もございます。
それがシワ加工。
別に大した加工じゃないかもしれません。
ただ、今回はフィックス加工というデニムととても相性の良い加工を施してます。
フィックス加工は、繊維に染料を定着させた後、退色を防ぐ為の加工でございます。
フィックス剤というもので繊維をコーティングし、洗濯の際や濡れてしまった時に
染料が流れ落ちるのを防いでくれる加工なのです。
(100%色落ちしないわけではございません。)
そもそもデニムの色合いをあまり変えたくない方にはこれだけでもおすすめなのですが、
フィックス加工を施した繊維は堅牢度が増す。つまり硬くなるわけです。
その効果をデザインに落とし込みました。
このフィックス加工によって付けられたシワに関しましては、
プリーツ宜しく、アイロンなどで取ることも出来ます。
ただ、私の好みとしては、ここからさらに袖をまくったり
敢えて雑にカバンに突っ込んだりして、よりシワ感を増していただきたく思います。
ドレッシーなデニムシャツをシワシワに着る事なんて
今まで想像もしない着方でした。
新しいデニムの育て方を教えられた1着で、
私の中の常識は軽く変えられた感覚でございます。
参考までに色移りの差も比べさせてもらいます。
インディゴ染めされた衣類は色落ちしてしまうのが当たり前で、
それがデニムの楽しみの一つでもあります。
これからもそれは変わりません。リジッドを履き込むのはワクワクします。
ただ、新しいインディゴの楽しみ方の提案です。
このウエスタンシャツの育て方はおそらく一人一人変わってくると思います。
普段よりもサイズを下げて、ワイシャツ代わりのインナーシャツにも、
普段のサイズでゆるっとシャツ羽織りにも
ワンサイズアップでリポリポしい着方も、
リポには珍しいドロップショルダーではないシャツになります。
イメチェンにも、リポ感満載も出来る
秋で登場しましたが、オールシーズン着れちゃうと思います。
万能とはこういうシャツのことを言うんですよね、多分。
サイズが豊富で良かったなと思います。
S〜XLの展開です。
着たい方向性のサイズはぜひ相談してください。
ノリノリで相談乗りますので。